未成年者である少年が刑事事件を起こした場合,警察,検察の捜査を経て,処分は家庭裁判所が担当し少年審判において決められます。
少年審判は,大人が受ける刑事裁判とは異なり,非公開で行われるもので一般の人が審理を傍聴することは認められません。
少年審判の参加者と手続
少年審判に出席するのは,裁判官,審判を受ける少年,少年の弁護士(付添人),少年の調査を行った調査官,裁判所の書記官らであり,少年の両親なども出席が認められます。
少年審判においては,まず,裁判官から審判を受ける少年に対して,名前,住所,生年月日などの確認がなされた後,黙秘権があることを告げられます。
次に,裁判官から審判の対象となる少年が起こした刑事事件の内容(非行事実)が読み上げられた後,少年に対して事実が間違いないか尋ねられます。
事実に争いがない場合,裁判官から,直接,少年に対して起こした事件の内容,事件の経緯や事件を起こした理由等の他,これまでの生活状況,家族との関係,友人関係等も尋ねられます。
また,少年自身,自分が起こした事件の被害の大きさや,事件を起こしてしまった原因や自身の問題についてどのように考えるのか,事件を起こさないためにどのように生活状況,家族関係,交友関係等をあらためるよう考えているのかなどについても尋ねられます。
出席した少年の両親に対しても質問がなされます。
そして,調査官や付添人の弁護士からも意見を聞いた上で,審判を終わるに当たって,少年に対して何か話したいことはないか尋ねられます。
その後,裁判官から,保護観察,試験観察,少年院送致等の少年に対する処分が言い渡されます。
審判は,通常,1回で1時間程度であり,その日の審判の最後に処分の言い渡しまで行われます。
裁判官が少年と話を聞くのは少年審判のときだけ
処分を決める裁判官が少年に会って直接具体的に話しを聞くのは,この少年審判の時に限られます。
少年自身が自分が起こした事件の他,これまでの生活状況や家族関係,交友関係等の問題を考え,どのように改めていかなければならないか等,十分に反省する必要があると言えます。